扉/あおい満月
 
鏡のなかの、
少女のままの彼女に
メールをする。
液晶の水面は、
音もたてずに目を閉じる。
鏡のなかの少女は私だ。
白いワンピースを纏って、
麻栗色のウェーブの髪を風に揺らせて。
いつまでも少女でいたかったから、
満月という名を与えた。

16歳の夏の日。
夢想のなかの青年を抱いた朝。
描いたクロッキー帳に滲んだ想い。
詩を書いていくと決めた二十歳の秋の日から、
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