潮騒ノ唄 /
服部 剛
誰もいない秋の浜辺に、立ち
吸いこまれそうな
青空
に手をのばす、僕の
頬を ぶおう! と
嬲(なぶ)る――一陣の風
沖の方から
幾重もの波は打ち寄せ
波飛沫の散る、ひと時の間に
湧き立つ・・・新しい りびどー
いてもたってもいられず、僕は
ふたたび連ね往くだろう
波打ち際に
何処までも刻まれる・・・黒い足跡を
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