Miz 10/深水遊脚
。戦闘員志願者は毎月一人はいるなかで、これは異例中の異例のことだったが、父幸盛と母春江が彼女に興味を示し、ともに食事をすることになった。食事といってもそれほど高級感のない倶楽部併設の健康食レストランでの、ごく軽いものではあったが。俺は同席を求められたが、代わりに青山を同席させた。青山がこれから課すことになる訓練にほとんどの志願者はついて行けなくなる。トレーナーとしての青山の人柄を、まずは須田に直接知ってもらい、その信頼を父と母が裏付けてくれるならその方がいい。
「相当鍛えてますね、彼女。」
柏木が唐突にそんなことを言った。
「わかるのか?」
「はい。大体のことは呼吸のしかた、姿勢、歩き
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