Miz 10/深水遊脚
する方針は譲れない。この部分だけは鍛えないと、その先の特殊能力の発現はないし、この部分が半端だと本当に命を落としかねないのだ。いつもそう考え、弱気を振り払っていた。
トレーニングルームの隣にある演習場から模擬戦を終えた柏木と青山がでてきた。張り切り過ぎているのか、2人ともボロボロだった。心配して声をかけたが皆大丈夫だと言っていた。もちろんこいつらのいう「大丈夫」や大雑把な報告はあてにならない。演習に必ず立ち会う母親の市田春江、そして晴久の母親の亀山広夏から模擬戦について軽く報告をもらい、のちに詳細なデータにアクセスするというシステムになっていた。実力に差のある者同士の模擬戦が密室で行われる
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