Miz 10/深水遊脚
 
をクリアできるかは青山次第だ。それをクリアできて初めてお前の出番だ。鍛えておけよ。」
「何をですか?」
「自分の能力が喰われてもいいように、だ。何を鍛えるかくらいは自分で考えろ。」
「そうですね。」
どうも昨日から柏木の過信が気になる。次の言葉で一気に不安になった。
「所詮は小娘。力を削るような卑怯な真似をするなら尚更負けられません。見せつけてやりますよ。我々の力を。」
「おい!」
「すみません。内緒にしておいて下さい。でも鍛えるのって、互いに切磋琢磨しあってそれぞれの力を向上させるものでしょう。小娘が入ると調子狂いますよ。」
柏木が喋り続けることを俺は許さなかった。
「それ以上いうなら担当をすぐに間城に変えるぞ。」
柏木は心外そうに俺をみた。が、取り合うわけには行かない。その考えは捨てろ!目で伝えた。
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