遮断機の内側/
凍月
カ ン カァン カ ン カァン……
カ ン
カァン
カ ン
絶対に
絶対に電車は通らない
消失点のあたり で
無人のまま朽ちている
廃線
微震動
荒野みたいな石の散乱(カ ン カァンカァン)
錆びた鉄 鉄、鉄線
焼き切れたパンタグラフ
絶対に
絶対に誰も通れないように
赤い点滅が 辺り構わず鳴り響く 連続
僕を遮断機が囲ったのか
僕が遮断機をくぐって中に入ったのか
[
次のページ
]
戻る
編
削
Point
(5)