観想/凍月
乾いている
鼓膜に打ち寄せる波に温度はあるのか
でも 飲み込んだ言葉はひび割れていた
靴音から調律までが一番好きだ
酔っていれば君を見つめていても
秘密のまま 鍵は手の中に
光と陰が裏返り
誰もが視界から舞台を降りる
君の声は主旋律でなければならないのに
いつからだ?
涙の落ちる音が聞こえなくなったのは
白い秋雨はこんなにも静かに
鳴り響いて止まないのに
いまこの瞬間ほど
言葉を心から欲した瞬間は無いのに
喉が引きつり声は出ない
去りゆく君を
呼び止める事も出来ずに
寂しさって冷たいんだね と
ただそれだけを手に入れる
幕間に寄り添う繋ぎの一章
誰も気付かないまま
ローディング
打ち止め
壊れた蓄音機
レコードに針を刺す
間奏
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