指先の湿り/
hiro
一面は乾ききった砂の大地
太陽が容赦なくあぶりつける
植物の集まりかと近寄るも
風が作り出した砂の山陰だったことに落胆する
重たい熱風が背を押し付け
やせ細った体は倒れこんだ
微かに動く右腕を手繰り寄せ汗を舐めた
わずかに残る力 下へ下へと手を伸ばす
あるはずもない湿りを欲し
朦朧とする意識の中に涙がこぼれた
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