蜜柑/
あおい満月
(さびしいと思うこと)
それももうなくなった。
皆、鏡の向こうにいってしまった。
だから、
これからは窓を開ける。
東の空の向こうが
赤く滲んでいる。
その赤い光をなぞり道を拓く。
一本の道の真ん中に石ころがある。
石ころの声を聴く。
(ここから先に、何が見える?)
あたたかな手のぬくもりを感じると
石ころが囁く。
夜のネオン街の迷路を
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