光のプラットホーム/ありか
かけ違ったピースは抱きあい
そうして傷つけあうことを
知ってしまったわたしは
あらゆる角をとってみせたかった
石の白線が焼ける かたちない快晴
心臓のなか 湧きたつ血はきっと
どこにでもかけつけるという合図
彼女のかわりに周囲の人々に告げる
無双の言葉 今ならとどきます
わたしたちはぜったいの
痛覚をもっているはずだった
列車が星の縁辺を過ぎつつある
もうすぐこの駅までやってくるだろう
出迎えなければならないと
ちぎれるように太陽の幼子が走る
きらきらと輝いて ぶつかりあいながら
ただ黙している駅員は石膏のよう
片道切符から生えなかった羽根
彼女
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