リング/
あおい満月
左手の小指にまわるトパーズがいつかの夏の空をなぞりて。
一抹の不安枕に眠りゆく終電までの線路の軋み。
向かい合う鏡に映る我が顔のまなこの下の蒼い三日月。
新宿の街路の階段深々と冬の息吹が囁いている。
顔知らぬ相手のメールの愛してるプラスチックの鎖のように。
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