Miz 7/深水遊脚
答できたので、自分の芯は守り通した。この手の人はストーカーになることも多いと聞くけれど、たいへん潔く別れを受け入れてくれた。男性にまつわる、数少ないよい思い出かもしれない。きついこともいろいろ言ったけれど、それに切れたりせず、自分の間違いは素直に認める人だった。真面目過ぎるから女性に話しかけるだけでもいちいち勇気を振り絞っていたし、真面目過ぎるから野次馬さんたちの好奇心にいちいち誠実に答えてしまったし、真面目過ぎるからもう会わないという約束をたいへん律儀に守った。体を許したことは後悔していない。もう少し「女性」ではなく「私」を知ろうとしてくれていたら、お付き合いはもっと続いて、私のいまの男性観はも
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