ウイルス/
あおい満月
啜り泣きがきこえる。
(俺を愛していないのかい)
私ははっきりと意思を通す。
(愛していない)
姿も知らない、
声もきいたことがない、
文字だけの繋がりの相手を
愛していく自信などない。
私は窓を閉めて、
携帯電話の電源を切って放り投げた。
*
今もあの「彼」は、
孤独を共有する誰かを探しているのだろうか。
詐欺師とは、
影になって、
寂しさの背中にまとわりついてくる。
孤独の隙間に巣食うウイルス。
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