東の夜/
あおい満月
両手で掴みとった羽根が、
灰になって消えていく。
白い大地に佇む夢で目が覚めた。
(もう、約束はしない)
嘘になる鍵ならいらない。
ひとりで生きると決めた刹那に
ことばの血があふれだす。
ひとつの孤独が生まれるたびに、
ペンを力強く握れ、
そうして描いていけばいい。
吐き出していけばいい。
ごらん、
東の夜が裂けてきて
朝焼けが滲んでいる。
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