突風/凍月
この暴風の中で
どうしても僕が吹き飛ばされないのが
とても不思議だった
こんなにも無価値で
こんなにも無意味で
泣きそうになるくらい軽く脆いのに
自己分析をして
捜し出した犯人は
自己防衛を言い訳に
必死で内壁にしがみつく
孤独なお前が
どうして弾けてしまわないのか
誰がお前を引き留める?
自己否定で漸く
己を分断してまでヒトリを逃れた
狡猾なお前たちを炙り出し
半端な容量が境界線も無いのに
ニセモノ達に領土を分割される
薄い壁を壊せば消えるくせに
その存在を主張する
首筋にナイフを当てても
感じる事は何も無い
鏡の奥で黙り込む
お前たちは一体誰だ?
何時から?何処から?何故?どうやって?何のため?
ははは
は
風が強い
一瞬、よろけて鉄柵を掴む
そんな風に固執して
空洞の内で触れないお前は
きっと幻覚か何かだろう
三人だか四人だかしらないが
暴風でまとめて吹き飛んでしまえ
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