アイスクリーム/ありか
爆破された夜の屑が月の縁を滑っている
そこはどうぶつのように
けたたましく吠える滑走路
無限が限界突破するときのエネルギーを
絶対に忘れたくなくて日記をつける
取り込み忘れて風に揺れる洗濯物が
悲鳴をあげて今日という日を刻む
言葉で自身を埋め尽くしていくわたしは
くちびるの皮を剥いたばかりだ
まもられている肉体は なにも気づかない
日記をつけたあとは かみ砕いて飲みこむ
きみのようにつよくないわたしは
消化にまで時間をかけることが
できずにいる
リズム、リズムをとり、
ページをめくる音にのせ体を揺らすと
無限の世界が膨張してゆく
明日は晴れ 誰かの答えに賛同す
[次のページ]
戻る 編 削 Point(20)