少年たちの受験戦争記/りゅうのあくび
チョースケが云うのを
楽しみにしながら
去年の成人式には
ドリフターズは来なかったことを
冗談とともに
すでにライバルから
友人の報せで知ったばかり
まだ大人にならないうちの
少年の狙撃手たちは
ピストルに銃弾を込めるように
シャープペンシルに替え針を詰め替える
何より担任のアドバイスを
ニュースにしながら
記号としての知識を
生き残りのための情報として
テストの解答欄に
限られた時間の内に
次々と打ち込んでいく
まるで教科書を
読むときみたいな
沈黙の森のなかで
勉強のためだけに
珈琲と非常食ばかりを
口にして過ごしていた
静
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