嘘をついたぶんだけ花が咲いたりしているのかな/北大路京介
青空を向いた水道の蛇口
ごくりごくり 水は冷たい
鉄棒に持たれながら
ときには逆さまに君を見ていた
あの頃の世界は美しかった
嘘をついたぶんだけ大人になっていってるのかな
君を好きになってから臆病になった気がする
大きな声で叫ばなかったことを後悔している
いつも誰かのせいにして逃げてきた それが楽だったのかな
世界は美しい そう言える日がくるのかな
君以外の誰かにときめくことがあるのかな
花に水をやる ホースの水で
ときどき見える虹みたいなものが君を思いださせるよ
嘘をついたぶんだけ花に水をやっているのかな
嘘をついたぶんだけ花が咲いたりしているのかな
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