ペン/あおい満月
 

飛び込んでくるものが
血に濡れた
人の倒れ込む街だったとしても、
かいていくのだ。
いつわりのない、
あらゆる風を掻い潜った
その先に見えた真実だけを。

右手には見えないペンが握られている。
ぎらぎら、
月明かりに光る刃のようなペンが。
私は駆けていく、
なにかが抜け落ちていく
ことばの影を追いながら。
風が吹く。
目を開いた世界が
海にのまれていく。
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