押花の栞/
もり
あなたとの記憶
水に似た感情
時間はかかったけれど
ようやく
完成
ブリキのジョウロは先週
不燃ゴミの日に出して
てるてる坊主とも
とうとう仲直りした
埃をふうと吹き払って
ふたりの本に挟んだ
押花の栞は
これから先のページを
明らかにして
永遠の白紙が
流れゆくうろこ雲
傘を捨てて
私もかわいていきたい
栞はもう
終止符として
雲にも追いつかれない
足どりで
銀河の風なんか吹かなくっても
めくられるではなく
めくるの、
きっと
めくるの。
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