静かな時流/たけし
透明に輝く街並み
降りしきる雨空の許
嘘のように広がります
街路樹の緑艶やかに
用水路の水の流れは銀の透明
街道を走る車音すら響き澄む
私の右目はとっくに塞がり
捕捉可能な視野が狭まった分
研ぎ澄まされた直観が
降りしきる雨と共に閃き閃き
新たなもう一つの器官へと
魂のうちに生成されていくようです
街道沿いの歩道をビニール傘片手に行くと
窪みに大きな水溜まりが輪を広げ
中ほどでは裸足の幼児が
けたたましい声を上げてはしゃいでいる両足剥き出しに
若い母親は薄いピンクの傘のなか
半ば笑い半ば怒り腕を組んで見守っていて
そこへ私が水溜まりにバシャバシャ入っ
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