はなびら/あおい満月
 
私がいないなら、
あなたがいる。
あなたがいないから、
私がいる。
いつも時計のように
交わっては消えていった、
数秒の肌の記憶。

何度生まれ変わっても
告げられない想いなら、
ここではなびらとして
翔ばしてしまえ。

私がいるから、
あなたがいない。
あなたがいるから、
私がいない。

互いの不在が、
一直線に釣り合うとき、
ドアの向こうに、
視線を感じて振り返ると、
あなたがいる。

私のなかにあなたが映る。
あなたのなかに
私が映る。
はなびらを閉じ込めた
瓶のふたを開ける。
想いよ、
その呼吸のなかに翔べ。


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