私に/あおい満月
私が私にできることは、
私が私を私からぬきとること。
肉をぬきとって血を降らせて、
骨をぬきとって風を吹かせて、
細胞は太陽の熱にとかして、
そうして種を植えつけて、
花をさかせて。
その花を人はことばというのか。
その花を人はしと呼ぶのか。
私にはわからない。
けれど、今、
私は私から何かをぬきとりたい。
心は想いを孕む。
ぬきとる前の
ちいさな秘かな願いは、
その魂とともにあること。
その魂とともになること。
願いは届くだろうか。
私に何ができるだろうか。
戻る 編 削 Point(3)