とある理想/もり
 

久々にいい酒くらって
現代詩フォーラムというサイトへ
投稿していたときのことを
話してしまったらしく

「おじいちゃんらしいとこもあったけど、
なんだか新鮮だったよ」
なんて
感想を述べられて
まだ残っていたのか、と
苦笑いしつつ
角砂糖を一個足し

「あたしのもみて」
新聞の切り抜き見せられれば
「愛」だなんて
ませてる
と また苦笑う

「ま、おじいちゃんの孫だからねっ」
怖いものなしで
トーストをかじる
孫のてのひらの上
昔取った杵柄もありゃしない
ちぐはぐな老足のステップで
しぶしぶ踊らされて

昔の恋人のような、詩を
思い返す一服が
今日はやけにしみる


そんなじじいに
なるのもいい

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