時代/渡辺亘
時代には風がある
水色の風
赤い風
青い風
黒い風
白い風
黒い風は戦争の風
死の風 不幸の風
こんな風は二度と
吹かせてはならない
白い風は
爽やかな風
平和の風
いろんな人のおもいの上に
この風があることを
忘れてはならない
水色の風は
青春の風
ほろ苦く 甘い風
まさしく人生のはじまり
それは輝く一陣の風
赤い風は
人生の最終章の風
茜色の空にも似て
それは太陽が沈むように
荘厳な人生の終わりをあらわす
このように
時代の風は吹く
吹き続ける
強く 弱く
様々な色取りをのせ
時代の風は吹き続ける
様々なおもいをのせ
時代の風に吹かれながら
人は何をおもい
何を悲しみ
何を喜び
生きていくのか
時代よ
時代よ
歴史よ
時の流れよ
人は何をおもい
生きていくのか
人は何をおもい
生きていくのか
吹き続ける
時代の風は
吹き続ける
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