場所/
あおい満月
あなたには、
打たれた記憶しかなかった。
言葉の手のひらで、
私の頬や背中や足を、
あなたは何度も打ってきた。
(よろこびのこえを、あげなさい)
ビシ!
(よろこびのこえを、あげなさい)
ビシビシ!
食パンになった私は、
はちみつの黄色い雨を降らされても
三日月になって笑っていた。
心は空洞で、
顔だけは笑
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