たそがれどき/……とある蛙
夏の暑い日差しの中に佇む古いビル群
道路の照り返すビルの窓硝子の中
子供たちの笑い声が蝉の音とともに響き渡る
外には溶けかかったコンクリートの街並み
蝉の音を抱え込んだ街路樹
呟きが聞こえる
子供たちの全生涯の物音だ。
窓硝子から外が見えるはずなのだが
短い窓が子供たちの眼を隠す
通りを行き交う自動車の群れ
夏の照り返しは容赦なく子供たちを巻き込む
戦はそこまでやってくる
そのために君たちは銃を抱えた
大人にならなければならない
その言葉ははるか昔にも聞いた言葉だ
君たちの未来のために僕たちがルールを作る
われわれの作った事実の積み上げがルールだ
多数決こ
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