月を数えて/凍月
衛星と
それらが全部 同じハズがない
理性の小瓶が置かれている月と
チーズで出来た美味しい月と
純潔と潔白の神様の月と
僕の中で凍りついた月と
それらが同じ月な訳がない
月はいつもの孤独が寂しくなって
窓に降りてきて過ごしたりする
月はたまには風に吹かれたくなって
水面でゆらゆら揺れていたりする
満月と三日月が同じ筈がない
上弦と下弦が同じ筈がない
十六夜と臥待が同じ筈がない
新月と半月が同じ筈がない
あなたが描く月の姿は
あなたにしかない月のカタチで
僕の想う月は他のどれでもなくて
だから月が一つだなんて、ありえないよ
…だからね
君が信じている限りはずっと、月は一人きりなんかじゃないんだよ
月を数えてみようよ
きっと一つなんかじゃないから
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