今日/
山犬切
いつからか僕は
どこかで明日という落とし物をしていたらしい
その落し物を見つけるために
日々をおくっているのかもしれない
健忘のように
今日という開かれたページを
もうずっと読んでいる
もうずっと眺めている
今日を破れず 明日も掴めず
カーテンや窓の外で
日が射し 翳る
そのたび今日のページはめくられるのだが
また似たようなページが開かれている
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