手のひら/あおい満月
 
わたしのなかの、
異質さをみつめる。
わたし自身が異質だから
何が異質なのかわからない。

硝子窓に石をぶつける。
窓に罅がはいる。
わたしのなかの
罅はなにか。

見えない孔に
釘を入れていく。
釘はどんどん、
奥へ奥へ入っていく。

(ご自身の内へお入りなさい)

ドイツの詩人
ライナァ・マリア・リルケのことば。

釘がとまる。
すると視界一杯に
満天の星空がみえる。
どれもひび割れた星たち。
異質な黒い光を放つ。
異臭がする。
釘から放たれる砂鉄の臭い。
砂鉄に映る灰色の街並み。
スクランブ
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