チャペル喫茶/たけし
照り返す緑、動かない
向こうの水色の家、
動かない
<ねぇ、もう少し静かにしてくれないかな>
背後のお喋りに僕は言う
<どうしてそんなに喋ってばかりいるんだ?>
アスファルトに
半分落ちた四角い影
佇むアパートは
午睡したまま
光の中に沈んでいる
<貴方は結局、神を信じるのか信じないのか?>
声が響き、振り替えると
初老の女性信者が
真剣な眼差しを僕に向け立っている
照り返す緑、燃え立ち動かない
向こうの水色の家、
燃え立ち動かない
取り囲むガラス壁を
懸命に拭く若い男の信者が
静止しかけていた時を
忙しく掻き混ぜ始める
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