三日月/
あおい満月
出てくる汗はどこか、
血に似ている。
皮を剥く手が早まる
あの夜の交わりを思い出して。
唇の先から、
血に濡れた白い歯が
三日月になる。
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午後十時
シャワーを浴びると
血に濡れた肉体が魚になる
みるみる小さくなって
排水溝から、
うまれたての海をなぞっていく。
血を求めていつかの鮫になるために。
血に濡れた三日月が
黒いシルクを纏っていく。
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