ヤモリ/あおい満月
 
うまれいずるものを
おさえこむちからもなく
うまれいずるものは
しずくとなりわたしの腕から流れ出る。
宿命と名づけた
うまれいずるものは
わたしの耳を支配し
目をからめとった。
それからわたしは、
見えない鎖に繋がれて
未知の鼓動を聴いている。



右手薬指に見えない声を聴き、
左手には錆びた傘を持つ。
そんなものたちのなかにいると
わたしの背中にいる
無数の嗄れた翼などどうでもよくなる。
何かに集中するほどに
左に傾く背中には
蛇がいる。
夜通し見張っていないと、
蛇は背中から抜け出し
わたしは歩けな
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