愛というもの〜永遠と呼べる一瞬/ヒヤシンス
 

 街角の雑貨店に流れるオルゴールの音色が心地よい。
 店番をしている若い雌猫のカフェオーレのような顔もまた楽しい。
 店の扉を押し開けてのっそりと入ってくる常連の猫は
 手入れの行き届いたひげをぴんと伸ばして彼女に会いに来る。

 我らお客は自分の価値観に忠実に品定めをしている。
 それはまるで一瞬一瞬が永遠につながるように。
 そして各々の存在価値を深く確かめるように。
 優しさの視線の先に太っちょの猫男爵を盗み見ながら。

 秘めた恋より開けっぴろげの愛が良い。
 愛を知っていますか。
 愛を惜しんではならない。
 開けた愛に存在価値は呼応する。

 彷徨う恋
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