地下鉄に乗って/……とある蛙
 
夕方の地下鉄
小学生を連れた母親
吊り革にぶら下がろうとする悪がき
それを止める自称かぁさん

ボリュームのつまみの無い小悪魔どもは
あっちへ行ったりこっちへ行ったり
結局、母親もスマホに夢中で
ときどき子供に注意する振りをする。

何も変わらない子供たちの口癖は

どこでおりるの?
どこまで行くの?

こいつら結局一生言っているのだ
どこまで行けばいいのか。
何をしたらいいのか。
分からない時はただ話続ける。
よその大人に叱られると頭がパンクして
対応不能でフリーズする。

地下鉄に車窓の風景は無いが
人生もそんな変わった風景は無い

風景が変わらないことを
親は気づいていない
だから教えられない。
それが現実

また地下鉄に乗っている。

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