「世界に満ち溢れるもの」/元親 ミッド
暗がりの街に、雪がちらついていた。
凍りつく大気、その向こうに雲
際は銀色に縁どられて
放射される天使の梯子
電線が揺れて、僕らはマリオネット
勝手に凍える指先。
それに抗おうとするのは
自由であろうとする魂だろうか。
手を擦って、思い出したのは
いつかキミが両の手で
同じように凍えた手を温めてくれた時のこと。
カーラジオが、そんな寒空から
クリスマスソングを濾しとって
世界を華やかに、楽しげにしようと
励ましてくれていた。
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