グレンリベットが云う/
元親 ミッド
八重咲き桜の、白き花弁にさす紅の
艶めかしさにさす光。
光の粒に時は凪ぎ、深い記憶の谷間には
清流となった夢が飛沫を飛ばす。
さしかかった旅人は、一瞬己の旅人たるを忘れ
見上げた八重咲き桜に、
何かが溢れそうになって
それをなんとか押し戻すように
スキットルをあおった。
グレンリベットが云う
思い出は、過ぎたるからこそ美しいのだ
と。
戻る
編
削
Point
(1)