筒の中/元親 ミッド
時の流れに身を置くことは、
延々と続いていく筒の中を
匍匐前進で進むことに似ている。
狭くて、振り返ることなんか出来なくて、
前に進むことしかできないんだけれど、
それを受け入れるしかない現実に
闘いを挑むように、闇に飛び込んでいく。
誰の耳にも届かなくても
誰の視界に入らなくても
魂のままに叫ぶのは
赤子の産声のように。
魂のままに踊るのは
走ることを覚えた少年のように。
時の筒の中で弾ける火の粉のように
純粋に、単純に、
感情に、肉体に、
忠実であれよ。忠実に。
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