JAZZが流れていたりした。/元親 ミッド
 
界を背後に引っ張っている。

踏ん張れないモノから、糸がどこかへと浚っていく。

目を細めると、遠くで飛んでいる海鳥が、

青い鍵盤を弾いている。

ちょっと傾いた電柱の間に張られた数条の線を

見えない糸が掻き鳴らし、弦楽器のような切なさで

そしてやっぱりJAZZがあった。



いつか誰かを愛することができるのは、

かつて誰かから愛されたことがあるからだと

JAZZが言っている。



街ゆく人々の雑踏が寡黙であっても

そびえ建つビル群が深い渓谷を成していても

闇は、悪などではなく

光は、正義とは限らず

それを一方的に人が思い込みで決めているだけで

その日一日見るものすべてが

JAZZなのは、



きっとキミの笑顔のせいだよ。



ただ、キミの笑顔が見たくって

どうして見たいのかっていわれてもわからないけど

ただ、キミの笑顔が見たくって

僕は、どんな手間がかかってもいいから

キミのいるあの場所へ 赴かずにはいられないんだよ。
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