昼下がりの大学生/北橋勇輝
違法駐輪されている自転車が
綺麗に並べられている
学校へ向かう途中で買ったパンとコーヒーは
一限による眠気防止のため
イヤホンからは陽気な曲が流れ始めた
友達と交わす会話はほとんどが好きな女子のタイプで
俺は黒髪ロングで積極的な子
放課後インスタントラーメンを食べながら
自身の近い将来を語り合った
気が付けば一日が終わろうとしていて
一年が終わるの早いなんて言う
上京したクラスメイトの女子は
健康とダイエットに気を使う
二人で帰るとき隣を見て
こんなに小さかったっけなんて思うよ
「あっ、雨降ってる」
「え?降ってるか……?」
「うん。降ってる。顔に雨かかったもん」
彼女と別れるとき
「お疲れ」ではなく必ず「ばいばい」と言って
手を振る彼女が夢に出てきたよ
地下鉄 電車走る音が
今にも事故が起きそうなくらい不安
やけに感傷的になって俺は
そのまま眠って駅員に起こされてしまう
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