膨張か収縮か/
森川美咲
そんなにもわかりやすく
堕ちてしまうものなのか
恋に
怠惰にと
君たちにとっては
限りなく広いであろう
その世界で出会った
隣人に
誘惑に
今こうして
目を丸くしているくせに
自分自身の
昔の恋は
あの時期は
特別だったという
思いだけは揺るがない不思議
あの頃の私たちの
無限にも思えた世界も
壁の外側から
見つめる大人たちがいたのだろう
世界は小さくなり続けているのか
それとも広がり続けているのか
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