今から思えば/
中森将継
笑わせてくれる
酒などもうないはずの町なのに
酔った叫び声って子供でも同じなのはどうしてだろうね
通りごとに味のちがう粉雪ゼリーの僕達の地図ができあがる前に
携帯電話が逆探知端末になった
顔を近づけて別れることはできない
眼をあわさないまま斜線の端をそれていく
思い出す場面の端々に添えられてあったんだ
気にすることもなく眼の前 暮らしを言い訳にしていたんだものね
今から思えば
200709-
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