月夜/服部 剛
 
これから幕を開ける
旅の予感を胸に
玄関のドアを開き
月夜の散歩に繰り出す

路面に照らされた
我が影は
我であり
我で無い…誰かのような

いずれにせよ――宇宙に只一人の僕
である確信は今、魂の深部に芽生え
(雲間に隠れた月の顔は現れ)

静かに高鳴る
鼓動と歩調の…重なる
この足で切り拓かれる、明日へ

我が心の叫び
いちめんの月夜に響く  






戻る   Point(6)