狙われた街/アラガイs
らいテレビの音をつけっぱなしにしている母親だから、たいていは玄関先に誰が来ても気がつかない。そのくせこういう××セールスとか××業者になると何故か応対をしているのだ。
( これは、ちゃんと水道局を通しているのでしょうか?)作業着姿の男は下水の蓋を閉じると道具をてきぱきと片付けだした。( いえ、わたしどもは民間ですから。あのう…よければ名刺とパンフレットを渡して置きますので 、また何かありましたらよろしく…)。 男はそう言い残すと、小さな薄い紙に印刷されたパンフレットに名刺を一枚付けてわたしに手渡した。いかにも×の悪そうなタイミングに、母親への挨拶も忘れてスゴスゴと去って行った。
( 簡単に相
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