琵琶湖疎水を眺めながら/天野茂典
 
 
   琵琶湖疎水を眺めながら
   南禅寺の豆腐を食べる
   炬燵に入りながら
   ぼくは君にビールを注ぐ
   冬の一日
   京都までやってきた
   もう何回やってきただろう
   注いでもらったビールを
   ごくりと飲み干す
   湯豆腐がからだの芯から
   暖めてくれる
   

   琵琶湖疎水を眺めながら
   ぼくはニューヨーク
   マンハッタンビルのことを考えていた
   頬がシクラメンのように染まった君と


            2005・02・08
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