野良犬コンビナート/TAT
 



働きたくないのに働いて
タバコをぷかぷか吹かして
酒が弱いのが嫌で『練習』していて
(本当にアホだ。そんなもん練習してどうなる?)



命懸けの喧嘩が出来るでも無い
万人を驚かす何かの特技がある訳でも無い
自尊心だけ高く
臆病で
怠惰で
食費だけ人より無駄に要る
駄犬でした



身の回りにある物の中でいちばん美しい物は『水たまり』で

他のバカと違って俺だけはそれがどんなに滑らかにキラキラと光りながら姿を映すか
誰よりもよく知っていた


その頃いっしょにいた女は賢い女で
馬も反りも合った
俺はアホだったからいつも千円札の枚数数える
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