『桜のなみだ』/座一
冬枯れの桜並木
まえを行く人の うしろ姿が冷たくても
愛された きのうがあるから
がんばれる 今日がある
たとえば お弁当作ってもらって
たとえば そこは危ないよと 教えてもらって
いっしょに笑って いっしょに泣いて
いっしょに一歩ずつ進んで
受け入れてもらって
受け入れてもらって
少しずつ育っていって
当たり前のようなそんなことが
ただしい道を つくってゆく
きっとあの子は 足りないんだろう
ただただ まだまだ 欲しいんだろう
人肌の あたたかみ
やさしい言葉 やさしい気持ち
時には 炎のよう
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