海とSINK/りゅうのあくび
太平洋戦争のあと
海底に眠り続ける
たくさんの機雷と
ともに朽ち果てた
駆逐艦は大海のひとかけらとなって
ゆったりと深く沈んでいる
真夜中の月は
もはや永遠に
届かない光となっている
生き残った水兵のひとりが
結婚して
母が生まれた
きっと昔に沈んだ軍艦の
SINKのなかには
漆黒の海があるのだろう
まるで海底を泳ぐ
深海魚を見つけたいと
一瞬のうちに思い始めるみたいにして
久しぶりに母と話をしていた
ささやかな結婚祝いの報せと
過去の話をするのが嫌いな
母の手料理があって
すべてのことはたぶん
綺麗に磨かれた
SINKともつながっていて
海が
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