虹が丘のひみつ(続 チョコチップクッキーは大切なお友達に)/とよよん
銀の缶に入っている虹色の砂糖そっくりでした。
──ちいちゃんのお砂糖は、
──お魚の……血?
横たわった魚はみんな同じようにヒレをたて、ひくつかせていました。
それはまるで虹が丘のおおいぬのふぐりが春風になでられて、
いっせいに ゆれているかのような光景でした。
ひくつきはどうやら、命のさいごを知らせる しるしかもしれないと
ミカがはっとすると、くまがこちらをじっと見ています。
くまがなにか言っているような
ちいちゃんがなにかをつたえようとしていたようですが
もうミカの頭のなかにはなにも響いてきませんでした
──ちいちゃんのお砂糖は
──お魚の命
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