舟にのる/
服部 剛
道の途中の四辻にて
運命(さだめ)のように、二人は出逢う
――旅に出るか
――はい
芭蕉と曾良の同行二人は
見送る人々のまなざしを、背に
(川の畔に風は吹き抜け)
旅の小舟は向こうの岸へ…渡っていった
*
芭蕉と曾良の細道は
幾世代もの時を貫き――人の心に通じ
旅人は皆
雨に降られ 日を浴び
人の情けの馬に、運ばれ
独りきりの夜さえも
何処からか 風 は訪れ
あなたを明日の旅へと誘う
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